堂本光一
飛翔
帝国劇場100年への想い
「SHOCK」11年
帝国劇場100周年
いま、時は満ちる。
2000年。
当時の帝国劇場史上、最年少座長として挑んだ堂本光一の「SHOCK」。大胆な舞台まわりに、めくるめく派手な演出。衣装、音楽、アクション、そのすべてが新鮮だった。伊藤博文や渋沢栄一ら、西洋世界を体験した政財界の大物によって企画された帝劇が、ここでひとつ新たな展開を見せたのである。
「最初に『MILLENNIUM SHOCK』を上演した時は、今までにやったことのない形式だったから、いろんなことが大変だった記憶があります。あの時は、開幕初日にも関わらず、振り付けしてなかった曲が1曲だけあった。場当たりだはんだのをやっている状況下で、もう幕が開いたからやるしかない、やるだけだ!なんて、もうてんやわんやでしたね」
1秒でも狂ったら危険な舞台というハードな内容なるも、昨年まで積み上げた公演数は通算751回。記録は更新中にして、現在の帝国劇場単独主演回数最多作品となっている。
「最多と言われてもピンとは来ないけど。でも、帝劇は何度も通ってる劇場として、僕にとっては落ち着く場所。それだけじゃあなく、引き締まる思いがそこに根付いています。歴史があるけど古さを感じさせないし、空気からなにから、すべてに重厚感があるしね。帝劇にしかない良さというのは、空気からなにからすべてが詰まっている感。セリだなんだのって舞台装置的なことを含めて帝劇がどこよりも勝っているとか、そんな記号じゃあない。長い歴史のなかで、素晴らしい役者の方々が演じてきたものが刻まれている良さたちが相まって出来上がった空気感だと思います」
公演中の舞台は、3月末まで。ちょうど開場して100周年を迎える3月1日は、公演まっただ中である。なにかイベント的な演出なども期待してしまう。
「記念すべき日に公演中というのはとてもありがたい話ですけど、その記念日に恥じない舞台を僕はまっとうするだけです」
堂本光一の礎、ここにあり。その惜しみないエンターテインメント精神の源流は、いったいどこにあるのか。ハードはやっぱり帝劇であろう。では、ソフトのお手本となるは、作・演出のノウハウを堂本に伝授したジャニー喜多川であろうか。
「なにも教えられてないですよ。ジャニーさんは、あーだこーだと言葉で教えてくれる人ではないし。まあなんだろ?“ユー、最悪だよ”って、それしか言われたことがない。いや、本当。振り返っても、けなされたことしか思い出せない(笑)。なんでも自分で手探りしてきた感じ。11年も連続で『SHOCK』をやらせていただいてますけど、毎年毎回、次があると思ってやってない。またやって欲しいという声があったら、その気持ちになる。それがすべてだから」
毎回インタビューのたびに、いい意味で裏切ってくれる言葉の数々。加え、今回は、KinKi Kidsの次なるシングルの話も聴かせてもらった。「え?」と意表をつかれる楽曲で、思わず、KinKiさんらしくないですね、と言葉が出た。
「30作目の候補として、実はこの曲があったんだけど、記念すべき30作目はふたりの合作にしようと。で、『Family』という曲になったんです。それと真逆でこの曲『TIME』はメロディアスではないけど、いい意味で大海に溺れていくような感覚がある。それをぜひ感じて欲しい。もしかしたら、今までのKinKiの曲が好きな人には“?”な曲調。でも、いい感じに衝撃的、ショックかもしれないけどね(笑)」
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